アフィリエイト収入が増えてきたら、「税務調査」のことも考えないといけません。
でも、税務調査ってどうしたらいいんだろう…。
税務調査は、国税局が税金の申告や納税が適切に行われているかをチェックするために行われるもの。
正しい準備と知識があれば、税務調査は問題ありません。
アフィリエイトでも、税務調査に入られることはあります。
税務署が電子商取引専門調査チームを設けて、インターネット取引に関する情報の収集と分析を行なっているからです。
「電子商取引専門調査チーム」として、局内に“電子商取引担当”、署に“情報技術専門官”を設置し、インターネット取引に関する情報を専門に収集・分析
引用:国税庁(インターネット取引を行っている者の調査状況)
アフィリエイトで税務調査に入られるのは法人だけだと思っていませんか。
副業や個人事業主でも税務調査は来ます。
自分には関係ないと考えて油断しているとインターネット取引等についてのお尋ねが届くことがありますので、アフィリエイターの方は備えておきましょう。
今回はアフィリエイトの税務調査で確認される内容と対策について、副業アフィリエイトで実際に税務調査を受けた体験を元に解説します。
アフィリエイト収入と税務調査:なぜ知っておくべきなのか?

アフィリエイト収入がある以上、適切な確定申告と税金の納付が求められます。
まず、アフィリエイト収入にかかる税金の主なものは所得税です。
所得税は収入の額に応じて税率が変わる累進課税であり、収入が増えるほど税率も高くなります。
例えば、所得が500万円の場合、20%の税率が適用され、税金として約52万2500円(控除後)が必要になります。
確定申告においては、収入だけでなく、関連する経費も正確に計上することが重要です。
経費には、例えばパソコンやインターネット接続料など、アフィリエイト活動に直接関連する費用が含まれます。
これらを適切に計上することで、課税所得を減らし、納める税金の額を抑えることが可能です。
経費の具体的な例には、パソコンの減価償却費や、セミナー参加のための旅費交通費、通信費などがあります。
確定申告が必要になるのは、アフィリエイト収入がある場合で、その所得が20万円を超える場合、または年間の総所得が48万円を超える場合です。
確定申告を行わなければ、税務調査によって追徴課税となります。
アフィリエイト収入を含め、収入が一定以上ある場合は、期日内に確定申告と納税を済ませる必要があります。
アフィリエイトで得た収入を正しく確定申告することで、税務調査に際しても安心して臨むことができます。
特に、経費の適切な計上や、収入に応じた税金の納付は、アフィリエイト活動を長期にわたって継続していく上で欠かせない要素です。
アフィリエイトの税務調査の対象者

そもそも税務調査と聞けば、多くの方は法人だけが対象者であると思っていると思います。
しかし、副業や個人事業主でアフィリエイトを行なっている方も対象になります。
詳しくは国税庁の「 所得税及び消費税調査等の状況」で公開している情報をご覧ください。
具体的な数字の紹介は省略しますが、調査数は感染症影響前の水準に戻りつつあります!
副業や個人事業主のアフィリエイターで特に調査対象に選ばれやすいのが、損益通算を行なっている方です。
損益通算は考え方が複雑で正しく処理できている方が少ないため、税務署から指摘される傾向があります。
たとえば納税したくないからといって経費を増やして赤字を出し続けていると、アフィリエイトが事業と認められなくなります。
そしてアフィリエイトで得た所得が事業所得ではなく雑所得扱いになるため、損益通算は認められません。
税務調査は数年経過してから連絡が入る傾向がありますので、連絡がないからといって安心せずに正しく確定申告を行いましょう!
また法人で決算書の数字が昨年の事業年度と比べて大きく変わっていたり、ペナルティを受けた経験があったりすると、税務調査に入られやすい傾向があります。
アフィリエイトの税務調査は要点を抑えれば対策できますので、今のうちにしっかり備えておきましょう。
アフィリエイト収入を確定申告しないリスクについては、以下の記事で詳しく解説しています。
アフィリエイト収入を確定申告しないリスク
税務調査をスムーズに乗り切る!アフィリエイト収入の正しい申告方法

税務調査をスムーズに乗り切るためには、アフィリエイト収入の正しい申告方法を理解し、適切に対策を講じることが欠かせません。
アフィリエイト収入は、その性質上、収入源が多岐にわたり、また収入額も変動しやすいため、税務申告において特に注意が必要です。
まず、収入の正確な記録を日々維持することが基本です。
アフィリエイトからの収入だけでなく、関連する経費も細かく記録しておく必要があります。
例えば、広告費用、ウェブサイトの運営費、コンテンツ制作にかかった費用などは、経費として認められます。
これらの経費を適切に申告することで、課税所得を減少させることができます。
また、アフィリエイト収入を申告する際には、青色申告と白色申告のどちらを選択するかが重要なポイントになります。
青色申告を選択すると、65万円の特別控除が利用可能になるほか、赤字の繰り越しも可能になります。
ただし、青色申告には記帳義務が伴うため、より詳細な記録の維持が求められます。
税務調査に際しては、これまでの記録が詳細に、かつ正確に行われているかがチェックされます。
そのため、日々の記録の正確性と、申告書類の正確な作成がスムーズな税務調査を乗り切る鍵となります。
また、税務調査に備えて、関連する書類やレシートはもちろん、メールのやり取りや契約書類など、収入や経費に関連する証拠となるものは全て保管しておくことが推奨されます。
アフィリエイトの税務調査で確認される内容と対策

それではアフィリエイトの税務調査で確認される内容と対策について解説します。
以下の内容を確認して、税務調査に入られるリスクを下げ、もし税務調査に入られた際に対応できるよう準備しておきましょう。
順番に解説していきます。
確定申告をしているか
アフィリエイトの税務調査は、そもそも確定申告をしていないことで入ることがあります。
繰り返しになりますが、アフィリエイト収入は無申告でもバレないといった考えは危険です。
税務署はA8やアクセストレードなどといったASPからアフィリエイターに対して支払った報酬に関する情報を入手しています。
そして、誰が無申告のまま放置しているのかを確認できます。
ASPから入手した情報と多額の報酬を受け取っているアフィリエイターの確定申告と照らし合わせれば、無申告はすぐに見つかってしまいます。
税務署はインターネット広告の会社や銀行などに対しても取引履歴を照会できます。
アフィリエイト収入は、納税からは逃れられません!
アフィリエイトで年間20万円以下の所得であれば確定申告は不要といった話をよく聞きますよね。
これは、あくまで副業でもアフィリエイト収入しかないケースでの話ですし、住民税の納税は必要です。
また、副業アフィリエイターの方は、住民税の申告時に普通徴収を選択しておかないと会社にバレますので注意しましょう!
そして個人事業主で年間所得が2,400万円以下で48万円を超える場合も確定申告が必要です。
アフィリエイト収入が年間20万円を超えないからといって無申告のまま放置していると、税務調査で指摘されてしまいます。
対策
そもそも確定申告をしていれば、アフィリエイトの税務調査で無申告を指摘されることはありません。
もしあなたが現時点で過去のアフィリエイト収入を申告していない場合は、税務調査が入る前に過去の分も確定申告を行いましょう。
税務署から無申告を指摘された場合、無申告加算税や延滞税、重加算税などの追徴課税が課されてしまいます。
追徴課税はいわゆるペナルティで、無申告が故意で悪質だと判断されてしまうと納税額が倍にまで膨れ上がるケースもあります!
税務調査で過去の無申告を指摘されないためにも、過去分を含めたアフィリエイト収入を申告しておきましょう。
確定申告時の売上に漏れはないか
アフィリエイト収入の確定申告を行なっていたとしても、申告漏れがあれば税務調査で指摘される恐れがあります。
税金を多く申告している分には何も指摘されませんが、申告額が少ないと指摘されます。
アフィリエイトの確定申告でよくあるのが、ASPから受け取った報酬を振り込まれた日に計上してしまうミスです。
ASPから受け取った報酬は、確定した日に計上しなければなりません。
A8.netで12月に100万円の報酬が確定したにもかかわらず、振り込まれる2月に売上計上した場合、100万円の申告漏れが発生してしまいます!
このような申告漏れでも、税務調査の際に指摘されてしまいます。
対策
アフィリエイトを含めたあらゆる事業の売上は、実現したタイミングで計上する「実現主義による計上」が義務付けられています。
アフィリエイトでASPにて報酬が確定した場合は、売上を報酬が確定した日に計上しましょう。
特に事業年度末に確定した報酬を計上する際は注意です!
税務署は売上の計上漏れに目を光らせていますので、確定申告時の売上に漏れがないかをしっかり確認しておきましょう。
正しく経費処理できているか
アフィリエイトの税務調査では、経費についても指摘されるケースが多くあります。
プライベートの出費を事業に関連しているとこじつけて経費処理する行為は、調査官が指摘する材料になります。
たとえば家族旅行の費用を経費処理するために、旅行の様子をブログ記事化したとします。
本費用にはアフィリエイトだけでなくプライベートの部分も含まれているため、全額を経費処理するのは困難です。
費用がすべて事業を行うためにかかった根拠を示せない場合、調査官から指摘されて否認されます!
しっかり家事按分しないと経費計上を否認されてしまいます。
税務調査に備えてプライベートの出費は取り除くようにしましょう。
対策
アフィリエイトの税務調査で経費処理について指摘されないためには、経費のルールを理解したうえで申告する必要があります。
アフィリエイトでどんな費用がどの程度経費になるのかを確認しましょう。
副業でアフィリエイトをしていて、按分で経費扱いできる費用の一例を紹介します。
- 端末購入費
- サンプル購入費
- 通信費
- 水道光熱費
- 電話代
- 交通費
- 交際費
- 家賃
中でも通信費、水道光熱費、電話代、家賃は、全額を経費計上していると否認されます。
アフィリエイト事業を行ううえで使った時間や面積などを考慮した按分率で、経費計上する必要があります。
副業でアフィリエイトをしている場合の目安としては、10~20%の按分が適正な経費として計上できます。
経費計上のポイント:アフィリエイト収入を得るうえでの税務上のメリット

経費計上はアフィリエイト収入を得る上での税務対策の中心となります。
適切な経費の計上は税負担を軽減させ、アフィリエイト活動の収益性を高める重要な要素です。
アフィリエイトに関連する経費としては、サーバー代、ドメイン代、広告宣伝費、コンテンツ作成に関わる費用などがあります。
これらの経費を正確に計上することで、課税所得を適切に抑え、結果として所得税の負担を軽減することができます。
しかし、すべての支出を経費として計上できるわけではありません。
税務上認められる経費は、アフィリエイト活動と直接関連があるものに限られます。
たとえば、個人的な利用が主である場合、その利用分を経費として計上することはできません。
また、経費を計上する際には、領収書や契約書など、支出を証明する書類を保管しておく必要があります。
これらの書類は、税務調査が行われた際の重要な証拠となるため、慎重に管理することが求められます。
アフィリエイト収入に関連する経費計上のもう一つのポイントは、青色申告の特典を活用することです。
青色申告を行うことで、65万円の特別控除を受けることが可能になります。
これにより、さらに税負担を軽減することができます。
ですが、青色申告を選択するには、事前に所轄の税務署への届出が必要であり、記帳義務も伴います。
アフィリエイトで高額な収入を得ている方は、適切な帳簿の記録や経理処理の体制を整えることが重要です。
今後継続してアフィリエイト収入を得るためにも、税務知識と正確な記録保持の重要性は、十分に認識しておくべきポイントです。
税務調査中に心がけたいこと:安心して対応するための心構え

いざ、税務調査に入られるとなると、多くの人が不安や緊張を感じるものです。
しかし、適切な心構えと準備をしておけば、冷静に乗り切ることができます。
税務調査中に心がけたい最も重要なことは、誠実さと透明性です。
税務当局に対して開かれた姿勢を保ち、要求された情報や書類を正確に、迅速に提供することが肝心です。
また、書類の整理や記録の保持が整っていると、自信を持って調査に臨むことができます。
具体的には、事前に関連する全ての領収書、請求書、銀行の明細、そして経費に関する記録を整理しておくことが重要です。
これらの文書は、あなたの申告内容が正確であることを証明するための根拠となります。
また、税務調査官からの質問に対しては、明確かつ具体的に答えるようにしましょう。
税務調査は、あなたのビジネスや財務状況をよりよく理解するためのものであり、必ずしも問題があるというわけではありません。
税務調査では、調査官との良好な関係を築き、必要な情報提供に協力する姿勢を見せること大切です。
最後に、税務調査を経験することは、将来のための学びとなります。
今後の申告や記録保持の方法を改善することが、長期的に見ればアフィリエイターとして知識のプラスとなるでしょう。
安心して対応するためには、事前の準備と適切な心構えが鍵となります。
税務調査後のフォローアップ:今後の申告をより良くするためのアドバイス
税務調査を経験した後は、その経験を活かして、今後の申告をより適切に行う絶好の機会です。
税務調査後のフォローアップでは、税務当局からの指摘やアドバイスを真摯に受け止め、申告プロセスの改善に取り組むことが重要です。
まず、税務調査で指摘された問題点を徹底的に分析し、同様のミスを繰り返さないように具体的な対策を立てましょう。
たとえば、経費の分類ミスや収入の漏れがあった場合は、記録の保持方法や経理の見直しを行います。
また、税務調査を通じて得た知識を活用して、申告書の作成方法や税務計画を見直すことも有効です。
青色申告の特典を活用するために、必要な記帳義務を正確に守る方法や、可能な限り税負担を軽減するための経費計上の工夫を学ぶことができます。
さらに、税務調査の経験から、税務に関する知識のアップデートや、税法の変更に常に注意を払うことの重要性を認識することができます。
税務調査後のフォローアップは、将来的により効率的で正確な税務申告を行うためのスキルや知識を身につける機会となります。